廃墟探索はとても危険!?廃墟探索に行く前に知っておきたいこと

廃墟は好きですか?

人の気配のなくなってしまった廃墟にかすかに残る生活の痕跡を感じ、石は苔むし壁に蔦は絡まり、その美しく朽ちてゆく景色に当時の歴史を感じることの出来る廃墟。

そんな廃墟を探索するような趣味を持つ人が最近とても増え、写真集を出せば飛ぶように売れ、これもまた最近話題になっている工場の風景の写真集と人気を二分するほどの大きなジャンルとなっています。

ですが、廃墟というものはすでに人の手が加わっていないものを指す言葉です。

草は生い茂り足元は見えず、壁の釘はむき出したままですし、今にも落ちてきそうな屋根。実は廃墟を探索するということは意外と危険なことが多いのです。

https://s4.reutersmedia.net/re

今回はそんな廃墟で実際に起こってしまった悲しい事件と廃墟で起こりうる注意すべき危険性について書きたいと思います。

廃墟で起こる「事件」

廃墟探索の「事件」としてまず挙がるのが、富山県氷見市に存在する通称坪野鉱泉と呼ばれる温泉旅館の廃墟で起こった事件です。

この坪野鉱泉の付近に住んでいた19歳の少女二人が「坪野鉱泉に肝試しに行く。」と告げ出掛けたままその行方が分からなくなってしまった事件です。

https://upload.wikimedia.org/w

事件発生後の捜索で彼女たちの目撃証言は様々な場所でとることが出来たのですが、一点だけこの事件はとても不思議な点があり、北陸新聞を含め様々なメディアでも取り上げられました。

その不思議な点とは、彼女たちだけではなく、その車もまた無くなってしまった事です。廃墟ホテル内部の事故だったのであれば車は絶対にホテルの付近に置いてあるはずですし、二人同時に消えてしまうというのも少々おかしな話です。

様々な捜査の結果、これは、車は証拠隠滅のため処分された誘拐事件であると判断され、二人は今現在も行方不明者として親族は捜索しています。

他にも、2004年には千葉県に存在していた通称「活魚ホテル」において女子高校生が殺害された事件、2006年には岐阜県中津川市のパチンコ店の廃墟において女子中学生が殺害された事件などと廃墟の内部で発生した悲惨な事件の例を挙げればいくつも上げることが出来ます。

それもそのはず、廃墟というものは通常人が全く入って来ないばかりか、多数の人は不気味に感じ近づくことすらためらうような場所が一般的です。

だからこそ、廃墟は不良のたまり場になっていることや、社会的にどうしても隠れて生活しなければならないような人物が息を潜めて潜伏している可能性があるのです。

事実、あのサリン事件を起こしたオウム真理教の幹部であった菊地直子は、神奈川県相模原市の人が住んでいるなんてとても考えられないような廃墟同然の建物を持ち主から直接借り受け、約5年もの間潜伏していましたし、あの外国人英会話教師殺害の市橋達也もまた、沖縄のオーハ島という無人島の倉庫の中に約3か月もの間隠れ住んでいました。

ある者は悪事を行うためにたまり場として活用し、またある者は命がけで誰にも見つからないために廃墟に潜伏し、そんな場所にあなたがふらりと興味本位で訪れたとしたらきっといい気分ではないでしょう。

人里から遠く離れた廃墟、そこは助けを求めようにも誰も助けてくれる人はおらず、自らの身は自分で守らなくてはならない場所なのです。

廃墟探索を行う前には、事前にある程度の情報をネットで収集することや、夜間など暗い時間帯の訪問は避け、同じような趣味の方がいらっしゃる場合はともに廃墟探索に出掛けることが必要です。

廃墟の「事故」

それから廃墟を探索する上でもう一つ気を付けなければならないことがあります。それが廃墟探索に伴う「事故」です。

廃墟探索を趣味とし、その画像をブログに載せ様々な廃墟をもっと知ってもらうために活動していたOさんは、ある日、人里離れた山間部の廃墟を探索していた際に不注意で剥き出しの釘に足がかかり切り傷を負ってしまいました。

幸い切り傷は軽くすぐに応急処置を施し、その後は何事もなく探索を続けたのですが、後日切り傷を負ってしまった方の足を太ももの付け根から切断することになりました。

破傷風です。

破傷風は土壌にいる破傷風菌が傷口から体内に入り、体中の筋肉が痙攣し全く動かなくなり、そして最悪の場合人を死に至らしめる病気であり、その死亡率はなんと4割前後ととても高いことで知られています。

破傷風は自宅で傷を負ったとしても発症してしまう可能性のあるほどの病気であるため、風雨にさらされたまま人の手の施されていない廃墟において傷を負ってしまった際にはどれほど発症の危険があるのかは容易に想像がつきます。

そんな大きな危険のある草の生い茂ったままの道なき道を歩いていくのが廃墟探索です。足元には万全の注意をして半ズボン等は避け、出来るだけ登山靴や厚手の靴下を用意し、万が一傷を負ってしまった際には速やかに病院で診察を受けることが大切です。

他にも廃墟は基本的にとても老朽化していることが多く、手すりや壁、更には屋根などが崩れ落ちる危険性があります。

事実、関東の廃墟マニアの間では有名だったとある5階建てのマンションの手すりが落ち、男性が一階まで落下し死亡してしまった事件が実際にありました。

廃墟の手すりや壁、屋根などは基本的にあまり信用せず、目だけでなく、きしむ音など耳でもその情報を判断し、少しでも危険だと思うようならすぐにあきらめることが大切です。

前項にも書きましたが、廃墟ではすぐに助けてくれる人はいないのです。

最後に

このように、廃墟はとても美しく魅力的なものなのですが、それとともにたくさんの危険性を帯びています。

ですが、これらの危険性を考えるあまり廃墟を嫌いにはならないでほしいと思います。

昔からずっと続いている歴史をそこに見ることが出来て、日常では味わえないようなスリルや冒険心を味わうことのできる廃墟探索

様々な危険性とうまく付き合いながらこれからも楽しんでもらえたらと思います。

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